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ザ ・タイガースを中心にGSを語るブログです。暫くはシロー追悼特集を更新します。ブログ移動で過去のコメントは削除されました。よろしければ過去記事含めてコメントをください!

【ベスト1968-1971青盤】嘆き(ライブ音源)

久々に曲にまつわる記事を書きます。
何を書こうかなと暫く考えておりましたが、やはり過去のライブ音源から12月公演の当たらないであろう演奏曲予想をしたいと思います。

まずは今回のオリジナルメンバー復活で演らないかもしれないけど、是非とも演奏して欲しい後期のナンバーである「嘆き」のライブバージョンを取り上げます。

この音源は69年10月ニューACBでの未発表音源です。僕はこのブログで「嘆き」を記事にした時、コーラスもない完全にジュリーのソロシンガーとしての将来のキャリアを意識したナベプロの戦略に「タイガースとしての良さが出ていない残念な曲」と記しました。
従って、これまでこの曲は余り真剣に聴くことなく、「流し・スキップ曲扱い」でした。しかし、今年2月に赤盤、青盤のベストが発売されて僕が一番に注目し、聴き惚れたのはこの「嘆き」のライブバージョンでした。

まず演奏編成ですが、当時はまだシローがギターが弾けなかった時期でもあったと推測されますので、ドラムス・ベース・オルガンのギターレス。シローは恐らくは70年に入ってからステージでギターを弾くようになったのだと思われますが、この点については当時を知る方の解説をコメントして頂ければ有難く存じます。

そして、肝心の演奏ですが、レコードのアレンジを略完全になぞっております。オルガン一台でコードパートとオーケストラやブラスのフレーズを弾いております。タローはどんな楽器でも起用にこなすマルチプレーヤーですが、反面タイガースではなかなか目立つ存在ではありませんでした。何しろロックバンドでは一番目立つのはボーカリスト、そしてそれに対抗し得るのはリードギタリストであり、サイドギターリストやベーシストはとにかく目立たない存在であるというのが世間の(誤った)認識です。

タイガースで一番目立たないと言われていたタローが脚光を浴びるようになったのはいうまでもなくシングルヒットした「青い鳥」の作詞作曲にあります。でも彼はこの曲を発表する以前のトッポ在籍時からステージではハーモニカやオルガンなどを演奏し、正に縁の下の力持ちとしてバンドを解散まで支えました。色んな説によるとタイガースではステージのカバー曲などをサリーが音楽通の弟シローから入手した海外音楽情報を基に選曲して、タローがそれらをアレンジしていたといわれております。選曲もそうですが何しろタイガースのライブでのカバー曲はアレンジがオリジナルに匹敵するくらい良い。ですからこのタイガースのコテコテの歌謡曲チックな「嘆き」がライブバージョンでは、たった3人の演奏者で構成されているにも関わらず大変分厚く且つ歌謡曲チックではなくロックになっているのです。タローのオルガン以外にもピーの激しいドラミングとサリーのベースもこの曲の激しさをより引き立てております。

そしてやはりというかバックの演奏に引っ張られてジュリーのボーカルもオリジナルのレコードにはない情感篭った声のハリ、客席へのアピール、本当に素晴らしい。ナベプロはシロー加入以降、タイガースをジュリーとそのバックバンドといった扱いを鮮明にしてきます。この「嘆き」や「君を許す」などのシングル曲は正にその路線にバンドの舵を切らせた最たるものですが、逆にバンドとしてのエネルギーはライブの場でしっかりと体現できていたんだろうなあとこの音源を聴いて予想できます。

今回のタイガース再結成はオリジナルメンバー結集ということで恐らくはトッポ在籍時の初期シングルヒットナンバーがライブの中心に置かれてしまう可能性大ですが、僕の希望としてはシローが参加できない分、後期の隠れた名曲もトッポのギターとコーラスで実現して頂きたいと切に願っております。

ということでこのライブバージョンの「嘆き」皆さんも噛みしめながら聴いて頂けると色々な発見があるんじゃないかなあと思っております。

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