GS, I Love You !

ザ ・タイガースを中心にGSを語るブログです。暫くはシロー追悼特集を更新します。ブログ移動で過去のコメントは削除されました。よろしければ過去記事含めてコメントをください!

12/27 THE TIGERS 2013 @東京ドーム最終公演完全レポート

さあ、いよいよザ・タイガース2013の千秋楽の東京ドーム公演です。

思えば昨年1月のジュリーのライブでの発表から11ヶ月。12/3の初日公演から一月弱。本当に早いものです。とにかくこの日のために辛い生活、仕事などみーんな耐えて耐えて耐え抜いて、この場に来ました。

僕はこのライブを叶えるためにこのブログを始めたようなものです。
 
そして、12/3の日本武道館公演からこの日までタイガース禁断症状を自ら与えました。
つまり、タイガースの楽曲を聴かないのです。とにかくビートルズストーンズを聞きまくったということ。
 
特にビートルズのBBSセッションのVoL.1とVol.2を積極的に聴くことにしました。
それはタイガースと同じ編成であること。そういった単純な理由で、タイガースの楽曲を12/27の最終公演終了までは聴かないという堅い固い決意で臨みました。これが功を奏したと思います。

ということで、リアルタイム世代ではありませんが、誰にも負けない強い思いでこの日に臨みました。外は雨。でも僕の心の中は晴れやかでした。そして略18年振りに訪れる東京ドームに驚き。昔は東京ドームシティなんてなかったもんね。ウロウロ、キョロキョロ、都内に毎日通勤しているのに、殆どお上りさん状態。

今回は珍しく妻君も一緒、但し彼女は開演には勿論間に合うけど家を出たのが少々遅れたので18時過ぎに着くとの連絡を受けました。で今回は武道館の時とは異なり、お友達との遭遇は少なく、三軒茶屋ブルーシャトーのボーカル&フルート・サックス担当の山崎さんに偶然会いました。彼は既にウインズの中の飯屋でお酒を飲んでしまい上機嫌。その後、DYNAMITE ENCYCLOPEDIAさんと再会。僕らはとにかく観客の多さにビックリ。
「僕らは本当に凄いバンドのライブに参加できたんだね。タイガース恐るべしです」DYさんのお言葉に納得。「リハ情報ではシローの参加あり、だそうです」DYさんのお言葉に更に胸を躍らせる僕。

妻君も無事に到着し着席。彼女も観客の多さに驚いてました。
 
いよいよ18:40客電が落ち、メンバーが登場しました。
 
この再結成ツアーからお馴染みの黒の詰襟風の衣装です。現役時代を思わせるようなカッコいい5人組の登場です。

<第一部>
1.DO YOU LOVE ME
武道館の時とは異なり今回は略右正面スタンドからでしたのでステージも大型スクリーンも良く見えました。アリーナの後ろの方々よりも良くステージが見えます。
流石にライブの回を重ねていることもあり、ピーのドラムとサリーのベースがものすごく安定していました。本当に素晴らしい幕開けです。
ただ、PAの迫力がイマイチだったかなと思いました。23年前にストーンズの初来日の初日公演を見ましたが、音がとにかくデカく、また残響もあったのでちょっと拍子抜けした感じでした。
 
2.(I CAN'T GET NO)SATISFACTION
よく見るとトッポのギターはストラトでした(フェンダーではなかったかも?)。武道館の時はエピフォン・カジノ1本でライブを乗り切ったので、今回もかなと思いましたが何とストラト系ギターに驚きました(DYさんのブログにコメントされていたYOUさんによると「シェクター」のストラトではないか?とのこと」)。タローはフェンダーSG。もうすっかりスーパースターのタローではなくタイガースのタローでした。カジノでなくトッポのストラト系ギターの音も最高でした。歪すぎず、それでもちょうど良い感じの重い音。
ジュリーのMC
「皆さんこんばんわ、ザ・タイガースです!」
ここで凄い歓声
「40数年前に後楽園球場でコンサートをやって、タイガースがここ東京ドームに戻ってまいりました!」
「こんなに生きていくのがつらい時代なのに、タイガースに光を当ててくれてありがとう、力をくれてありがとう、愛をくれてありがとう。」
ここでいつも笑いが起きるようです。色々な方のブログでも記事になっていた場面ですが、僕は全く笑えない。何しろ、65歳を超えるメンバーそしてそれに近い年齢の皆さんとは違い、僕はまだ40代後半、本当にこのひどくなった日本で生きてゆかなくてはならない、ジョークには全く聞こえず、本気ですよ、生きていくのが辛い時代は・・・。とマジに反応してみる。 
 
3.NOWHERE MAN
ジュリー「続きましてタイガースの十八番です」
リードギターはタローでした。ローコードを主体の間奏は味がある。トッポkのハイテナーコーラスは素晴らしい。
ジュリーのMC
「タローは音楽的なことの総括、コーラスや振付なども担当してくれました」
「かつみは衣装とTシャツのデザインを担当。この人のハイトーンが入るとタイガースだなぁと感じました
「ピーは日本と中国の往復が激しくて、今回何もしてくれません!」
これにはさすがのピーも「ちょっとちょっと」とスティックを振って抗議!
「嘘です、ピーはインターネットで宣伝部長を買ってでてくれました。ご覧のとおり昔の面影を残しているのはピーだけです」
ここで観客の拍手!僕の後ろの席のお姉さま方は「ピー!」と声をかけておりました。
本当にピーはジュリーに次ぐ人気者だったのですね。
「私はコンサートが終わった後で、何を食べるか、何を飲むか、二軒目はどこに行くか、といったことを担当しております沢田幹事です」
「いやそれだけではなくて、『ホワイトクリスマス』のCD製作に立ち会ったり、出版社の方々に多大なご協力を頂きましてパンフレットを制作いたしました。本当にタダ同然の値段でお貸し頂きまして、こんなこといっていいのかな?安いお値段のパンフレットを作ることができました」
「サリーは何もしてくれませんが、稽古初日には全ての曲を覚えてきてくれました。サリーはそこにいてくれるだけでいいんです。タイガースの重石のような人です。イットクけど、サリーげなく」
「それでは次はかつみが歌います」
 
4.I STARTED A JOKE
正面から見たトッポは素晴らしい表情と歌を披露してくれました。
それとサリーのベースです。ビージーズの曲はストリングスやピアノなど装飾系の楽器がキラキラと入ってますが、それが全くないタイガースの演奏では、ギターの音色とボーカルに目が行きがちです。
しかし、この曲のフィルインのベースフレーズは本当に素晴らしい。この後に本家の演奏も聴きましたが、ベースがいいんですよ。 
トッポのMC
「ずいぶん久しぶりにこのメンバーが揃いましたが、メンバーもそれなりに、お客さんもそれなりに、良いお年を召されました。僕たちは元気です。どうか今日は僕らのパワーをしっかりと受け止めてください。次はビーが歌います」
 
5.YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY
そしてピーは例のジョン・レノン帽子を被り、かわいく歌います。
僕の大好きなビートルズナンバー。ジュリーのタンバリンは結構響いてました。ビートルズのオリジナルをほぼ忠実に再現しておりました。
妻君は「ピーさんの英語は学校の先生のカタカナ英語っぽかったね」と。おー、そういえば中国語は流暢ですが、英語は確かに昔学校にいた英語教師のガチガチのカタカナ英語でしたね。それでもピーらしくて素晴らしい。
ピーのMC
「この曲はビートルズの「HELP!」というアルバムに収録されている曲で、ジョンレノンがボブディランに影響されて作った曲です。ジョンレノンの帽子です。ジョンレノンを偲んでということで被ってます。1月に沢田から発表があって、ようやくみんなでコンサートができることになりました。ついに今日が最後です。今年は「花の首飾り物語」も出版できもう死んでもいいくらいです。みなさまのおかげです。ありがとうございます!」 
「次はタローが歌います。」
 
6.YELLOW RIVER
そういえば武道館では途中からどんどんテンポが速くなってしまったこの曲。今日は安定しておりました。タローのボーカルも絶好調で、ドームの中で素晴らしい響きでした。
タローのMC
「皆さんこんばんわ、森本タローです。昔の遊び仲間と40年経ってまたこうしてできるなんで思ってもいませんでした。この12月27日は新しい記念日になりましたね、この記念日をみなさまとともにできて僕はほんとうに嬉しいです」
ここでタローの声は凄くでがく、何か興奮しているようでした。
僕は大画面でタローをみていましたので、この場面でピーやサリーがいないことには全く気付きませんでした。
そして、
「そして、・・・今日は来てくれました、来てくれましたよ。岸部シローが来てくれました!」
車いすで押されてシローが登場です。
 
シローは2012年1月の武道館公演の時とは異なり、ピーに車いすを押してもらい、立ち上がることはできません。
報道によればシローは昨年大腿骨を骨折して介護施設に入院中とのことで、そこから直接ドームに駆け付けたとことです。シローは殆ど微動だにしません。
 
ジュリー「シローもタイガースの一員です」
観客の拍手
ジュリー「どうする?最初にしゃべる?それとも歌う?」
ジュリーの問いかけにシローは
「歌う!」
と大声!
会場は凄い拍手に包まれました。そして、シローの左傍らに寄り添うタローのギターのイントロが響きます。
 
7.YESTERDAY
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うぉー、イエスタディだよ!イントロでわかりました。まさか、ここでこれを聴けるとは。
僕は固唾をのんで見守ります。勿論、会場中の誰もが静かに。
「Yesterday, 」ここで凄い拍手です。
そしてそこからはすすり泣く声やそしてシローの歌に合わせて合唱です。
 
僕は不覚にも涙があふれんばかりでした。そして自然と一緒に歌っておりました。
 
大好きな大好きなビートルズの名曲中の名曲のこの曲をタイガースのステージで、しかもシローのボーカルで聴けるとは本当に夢にも思いませんでした。
 
恐らくはビージーズのナンバーかあるいはドノヴァンの「ラレーニア」あたりでも歌うのかなとおもっておりましたが、まさかまさかのイエスタディです。
 
思えば中学校の時、ビートルズを知り始めた時に、この曲の歌詞をノートに書いて、辞書を引き引き、訳し、何度も何度も読んで、歌いました。まだ中1か中2ですから、ちゃんとした英文法も知らずに自力で訳していました。歌詞はこの胸にしみついております。ですからシローと一緒に歌うこと、それが何とも言葉になりません。
 
大型スクリーンを見ると、ジュリーもピーもそしてトッポもみんな一緒に口ずさんでおります。つまりシローのリードボーカルでタイガースの6人全員でイエスタディを歌っているのです。
 
各々のこれまで歩んできた人生、栄光もあったけど挫折もあった、特にシローはメンバーの兄弟ということでバンドと幼い時から付き合い、ファニーズ時代の音楽アドバイザー、タイガースのボーヤから渡米後は特派員として最新情報をメンバーにいち早く発信し、トッポ脱退により帰国無理やりメンバーに加入させられ、弾けないギターやタンバリンをどうにかこなし、解散後は俳優、司会者などで一世を風靡しました。その後に自己破産、前妻との離婚、病気、再婚とその奥さんとの死別、波乱万丈の人生でした。そして他のメンバーも順風満帆ではなく、それでもここまで皆が揃うことができたのです。
 
この感動は僕の拙い文章力では表すことがこれ以上できません。ごめんなさい。
 
シローのMC
「何か面白いこと言わなければならないと思って、色々と考えてきましたが何も思いつきませんでした」
「本当はもっと上手く歌えるはずなんだけど、今日はこれが精一杯。上手いなんで他のみんなに申し訳ないよ。今日のは、”魅惑のウィスパー・ボイス”ということで」
ここで観客からは拍手と笑いがおきます。
「”ウィスパー・ボイス”って知ってますか?・・・ここで一口メモ。1970年代のドゥービー・ブラザーズってバンドのキーボーディストのマイケル・マクドナルドの歌声がそう呼ばれてたのね。今日はそれを再現してみました。以上です」
何て素晴らしいのでしょうか!シローは何と1970年代のあのアメリカンロックの雄でもあったドゥービー・ブラザーズをこのステージのMCのお題に出しました。体は弱っているとはいえ、本当の音楽好きなんでしょうね。これは素晴らしいと同時に驚きでした。
 
そしてシローはピーに車いすを押してもらいステージを降ります。
 
再びジュリーのMCです
「シローは僕らタイガースに海の向こうの音楽の情報を伝えてくれる、という役目で海外に行ってて、ある日突然呼び戻されて、無理矢理タイガースのメンバーにさせられて(笑)、でもシローも合わせた6人で僕らはザ・タイガースです!」
「(ピーがシローの車いすを押す姿が)父親を送る息子のようですね・・・」
「そして次は兄が歌います」
8.TELL ME
サリーの渋ーい低い声がドームに響きます。
武道館の時にはきちんと確認できませんでしたが、リードギターはタロー。ほぼコードのアルペジオ中心ですが、本当にこの曲はサリーにぴったりの曲です。ストーンズの中でもこの曲や「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ」などのバラードやオーティス・レディングの「ドッグ・オブ・ベイ」など、黒いフィーリングの曲はサリーの低音にぴったりです。
サリーのMC
「タイガース時代は岸部おさみで、ニックネームはサリーでしたが、もうサリーと呼ばれることも少なくなりまして」
お客さんからはお決まりのように「サリー!」
「何十年ぶんも言われたみたい」
観客の大爆笑
「音楽を辞めてからもうだいぶ経ちますが、今ステージに立って、タイガースをやっていて良かったと思います。こうして弟と一緒に、兄弟でステージに立てるなんて奇跡だなぁと思います」
「次はかつみが歌います」
 
9.HOLIDAY
大型スクリーンや双眼鏡で見る限り、トッポは本当に気持ちよさそうな表情で歌っておりました。
12/3武道館の時とは異なり、もっともっと声が出ていたように感じます。そしてトッポはどの曲を歌っても同じだなんて揶揄されていたことも多くありましたが、僕にはこの日彼が歌った曲それぞれに違った味わいがあるなあと感じました。
 
10.I'M HENRY THE EIGHT I AM
ここでピーがドラムの位置から降りてきて、ジュリーと交代。
そしてピーの楽しい楽しいはじけタイムです。
ピーはとにかく右へ左へステージを駆け回り、曲に纏わる講義を武道館と時とは異なり、超短めにして、三三七拍子のおどけたポーズを取り、無事に歌い終えました。 
僕の妻君はジュリーがドラムを叩くのを初めて見たのですが、「さすがボーカリストだけあって歌心のあるドラム、すごい上手かったよ」とのこと。
 
11.TIME IS ON MY SIDE
そしてここからは一気にロックンロールタイム。まずはお馴染みのこの曲。
ジュリーのジャンプが武道館の時よりは高く飛んでいるように見えなかったけど、ボーカルの安定度は本当にすごいなあと思いました。 トッポの間奏がまたいい!スローな曲のギターソロはこれまた円熟味を感じますし、恐らく僕ら若造には出せない音なんだなあと感じました。
 
12.UNDER MY THUMB
武道館の時はステージ後方でしたのでメンバーの横の前後の動きはよく見えましたが、横の動きはやっぱり正面からじゃないと見えないよね。
メンバーは右へ、左へと動く、そして間奏ではジュリーに接近してソロを弾きまくるトッポ。
そうそう、この構図を見たかったんですよ。昔の友達に帰ることができたこの姿を。 
 
ここで休憩。さすがにドームなので30分間も!
休憩中はじっーと席にいました。
この席からアリーナを移動するイエロー・キャッツのボーカルのヂュリーさんを見つけ、大声で声をかけました。こちらに気づいてくれて、笑顔。
 
 
<第二部>
13.十年ロマンス
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Em→D→Emのイントロ、そして「Once opon a time!」のコーラス。
第一部のステージは殆ど危なげなところもなく、素晴らしい演奏と歌を披露してくれたタイガース。
後半は畳み掛けるように怒涛の大ヒット曲・オリジナル曲連発。 「生命のカンタータ」まではMCなしなので、どんどん休みなく続きます。
5人だけの演奏ではキーボード系やパーカッション系の音がないため、一見スカスカに感じますが、ジュリーのボーカルの音圧が凄いため、全く音の薄さを感じません。
この「十年ロマンス」のジュリーとトッポのツインボーカルも最終公演でもう十分に歌い慣れて、いい感じになっておりました。
 
14.僕のマリー
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「僕がマリーと・・・」の冒頭で拍手が聞こえました。
武道館公演を見ていない方にとってはこの曲が歌われると涙ものなんですね。
ジュリーの艶のあるボーカル、トッポとタローのアルペジオストロークが絡むギター、サリーとピーのリズム隊。
ストリングスがなくても曲そのものが生きている感じがしました。
 
15.落葉の物語
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イントロのギターはタロー。ハプシコード(チェンバロ)の音をギターで再現しておりましたが、タローの活躍は本当に縁の下の力持ちというかマニアックに曲を聴いていないと気付かないところが満載です。
それは今回の再結成ツアーのアレンジ担当として、決してギタリストとしては超絶テクニックを持っているわけだはないトッポとタローの二人が絶妙なバランスを取るように構成していたということ。
特に、リードギターがトッポだということが世間の認識でしたが、このツアーを通じて、曲によるリードギターの分担やストリングス、キーボード、その他の音色をギターでリアレンジし直すといった点において、タローの貢献度大であったと思います。武道館公演のMVPはタローだと思いましたが、このツアーの音楽担当としての影の立役者はタローであったといって良いと思います。 
 
16.生命のカンタータ
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続くこの曲でもタローのリードギターが光ります。でもよく聴くとサリーのベースがあまりレコード通りでないということでした。ベース音がルート音の低音から高音部分まで飛びまくる、あのビートルズの「ペニーレイン」や「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」などのようなポールの弾くようなフレーズが入っていないようでしたね。たまたまなのか、あえてそうしたのか。よくわかりませんが。
 
この曲が終わり、本当はジュリーがすぐにMCとなるのですが、忘れていたようで、暫く大型スクリーンには無言のジュリーのアップ。ジュリーが慌てて(ワシがしゃべるんやった、って感じで)
ジュリーのMC
「アルバム『ヒューマン・ルネッサンス』の中から「生命のカンタータ」をおおくりしました。次も『ヒューマン・ルネッサンス』から「忘れかけた子守唄」」
 
17.忘れかけた子守唄
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タローのリードギターから始まるこの曲。ここでもタローは大活躍。
そしてジュリーとトッポのリレーボーカルも素晴らしく、ドームに響きます。
キーが間奏で、そして二番の終わりで転調してゆきますが、そこでもタローはしっかりとリードギターでフレーズをつまびきます。
 
18.廃虚の鳩
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タローの主音とトッポの3音上とのギターオーケストレーションによるイントロで観客も「ワー」
トッポのボーカルは初日に比べるまでもなく、このタイガースの演奏に委ねるようにのびやかでした。
多少高音部がフラットすることもあるようですが、そこはベテラン。上手く誤魔化すというと言葉が悪いですが、円熟味を帯びたボーカルっていうのはこれなんだなあと思いました、それはこの後の「花の首飾り」でも言えます。
二番の後の転調するところでギターのリードが遅れ気味に乱れましたが、そこはピーのフィルインでカバー。慌てることないところに、見た目はどんなに間違えたり、乱れても慌てず騒がず、落ち着いた対応、すごいなあと思いました。
 
19.モナリザの微笑
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タローのまたまた大活躍のハーモニカタイム。タローは月一回欠かしていないスーパースターのライブでもこの曲をやりますが、結構失敗されております。失敗すると目立ちやすいですからね、ハーモニカは。
今回も失敗することなく、しっかりと演奏。往年の皆様には懐かしいフレーズです。
 
20.銀河のロマンス
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ピーのカウントの後で、
何とイントロが鳴らない、っていうか、トッポが弾きそびれたようで、直ぐにドラムのピーの方向を向いて、
「やりなおし、やりなおし」のジェスチャー
トッポ「ごめんなさい。僕が間違いました」
ジュリー「たった今、地震が発生しました」
改めて、やり直し。
トッポのリードギターはその後、何もなかったかのようにミスなくしっかりと演奏されました。ジュリーのリードボーカルも曲が進むごとにどんどんと声に迫力を増していくようでした。
「シルビー、マイラブ」のところは「ジュリー」とか「サリー」とか叫んでいたお姉さま方がいたのでしょうか?
ちなみに僕の周りのお姉様方はやや大人しめでした。
 
21.青い鳥
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タローが大活躍のこの曲。ツインボーカルのタローの声はジュリーの音圧があまりに大きくて、タローの声が小さく聞こえました。それでも圧巻だったのはタローのギター。フレーズを失敗することなく、これでオンエアは大丈夫ですね!
 
22.花の首飾り
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ピーが「花の首飾り物語」を出版したことで、この曲の聴き方が今までとは大きく違ってきたように思います。
それはトッポの歌い方。トッポのボーカルはアンチの方は徹底的に叩いておりますね。特にこの年齢になってから高音が昔ほど出ないだの、ビブラートで誤魔化しているだの、メタメタです。
確かに、若い頃に比べて、フラットしやすかったり、演奏に遅れてみたりということは確かに見受けられます。
でも、僕はこれが65歳のトッポの真の姿なんだと思います。ギターの弾き方、声の出し方、これらは個性です。トッポの個性はそれはそれで素晴らしいものだと、ドームの生の歌を聴いて思いました。
音が若干遅れるのは右耳が突発性難聴で聞こえないという影響もあるのかもしれませんね。
それでもこの日の「花の首飾り」には感動しました。言葉では上手く表すことができませんが、初めて聴いた時から30年以上経過して、2013年の歌、2013年の音、そして僕自身が少年から中年になったこの歳で味わい深く聴くことができたこと。それは簡単には言葉に表すことができませんが、名曲ってこういうものなんだなあと思います。
 
23.君だけに愛を
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「キュイーン」、おなじみのイントロですが、ドームだと観客が多くしかも、距離があるので「指さし」で「ギャー」だの「キャー」ってえのは余り感じませんでした。
僕の周囲もスタンドの前の方だったので、立っている人もそれほど多くなく、それでもノリノリの方もいて、それはそれで楽しかったのですが、ジュリーの黄金の人差し指で盛り上がったのはアリーナだけだったのでしょうかね?ここは放送で確認してみましょう。トッポのギターソロはかっこよかったですね。 
 
 
24.シーサイド・バウンド
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ここでMCが一旦入ります。ジュリーのディンパレスを準備して、さあ盛り上がりタイム。
ステージ上のメンバーはしっかりとステップを踏んでましたね。僕も負けずにステップを踏もうとしましたが、とにかく席が狭くて、それどころではありません。
間奏でピーが凄い叫んでました。どんな感じだっかかは覚えてませんが、とにかくあの雄叫びはピーでしょうね。マイクスタンドが口の位置に移ってましたから。テレビ放送で確認してみましょう。
 
25.I UNDERSTAND
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この曲が始まると、あー本編も終わるんだなあという寂しい気分になります。
しかもこれが本当に最後。
ジュリー
「僕たちはみんな今日まで生きてきました。今日も生きています。明日からもいきてゆきます」
「2013年12月27日を皆さんの思い出に加えてください」
「この日の一部始終、どうか皆さんのお好きなところをお持ち帰りください」
 
26.ラヴ・ラヴ・ラヴ
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引き続き、ピーのドラムのフィルインが入って、「愛こそすべて」です。
タローのリードギターのワウ(多分、ファズではなかったよね)のリードギターこれは言うまでもなく素晴らしい。
トッポはこの曲がリリースされた時は既に脱退しておりましたので、サイドギターとコーラスはシローでした。
ジュリーがそして観客みんながLの字を掲げます。
 
スタンドから見たこの光景、本当に感慨深いものがありました。
 
<アンコール>
27.タイガースのテーマ(モンキーズのテーマ)
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来ましたよ、アンコールのタイガースのテーマ。
平均年齢66歳のメンバーが必死で足を上げます。
一節にはラインダンスという言い方もされている方もいらっしゃいますが。
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体力的には持たないのでワンコーラスだけの演奏ですが、終わるやいなや。
ジュリーのMC
「大丈夫?」
タローは「あかんて、あかんて!シャレならん!」みたいなゼスチャーをして。
ピーは立ち上がって「僕は全然大丈夫」とアピール。
トッポに「かつみは大丈夫?」と言うと、
トッポ「あ、今、めまいが・・・」
これで場内大爆笑。
 
これを果たしてNHKはオンエアしてくれるのでしょうかね?
 
28.美しき愛の掟
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そしてそして、メンバーがタイガースのテーマのラインダンスでフラフラになった後に演奏するのは、1969年トッポ脱退直後にリリースされた「美しき愛の掟」
当時英米で流行り始めていたニューロックというかアートロックというかサイケデリックっていうか、そういった世界を日本の音楽界に投じた一曲です。
テンポは初日武道館の時のように走ることは全くなく、むしろ落ち着いたテンポでした。
ジュリーのボーカルは本当に圧巻で、この力強さは一体どこから来るのか。そして、トッポのギターのフレーズも武道館の時よりかはこ慣れてきており、特に僕が注目したのは間奏のソロパートです。
どちらかといえば、速弾きよりかはチョーキングをフルに使いまくったフレーズで、ああ、これもレコードの音に近づけているんだなあと思いました。
僕は以前からこのブログでも披露しているとおり、この「美しき愛の掟」はタイガースの音源では大変なお気に入りであり、まさにトッポを加えた再結成ツアーにてこの曲がどのように再現されるのか一番の興味も的でありました。
案の定、トッポは今回のライブの際、「タイガースのテーマ」の激しい「ラインダンス」の後でワウワウを踏みしめるといった大変なる苦行を実行することになりました。
特に、トッポはこの楽曲に関してはリリース前に脱退したということで、生演奏での披露は初めてに近かったのだと思います(1982同窓会コンサートの時は、速水清司さんとタローがリードギターを担当されておりましたので、トッポはおまけのような感じでしたね)。
とにもかくにも、できましたら、NHK BSプレミアムの放送ではこの曲はカットしないで流して欲しいですね。
勿論、DVDは買うでしょうけど・・・。
 
29.色つきの女でいてくれよ
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そしてアンコール最後の曲。思えば僕が1981年の「さよなら最期の日劇ウェスタンカーニバル」でのタイガースの再結集シーンをTV放送で見なければ、このように約33年を経過してタイガースの記事をインターネットのブログにて披露することはなかったと思います。
その当時同窓会にて再結集したタイガースの面々による「色つき」も僕にとっては大切な思い出です。
 
何しろ僕はここでタイガースを知ることがなければスルーの上、全く違う(音楽)人生を歩んでいたのかもしれません。そういった意味ではこの「色つき」は僕をタイガースの世界に惹きつけたエポックメーキングな曲であったと思います。勿論、ネットネームの「27年ロマンス」のきっかけとなった「十年ロマンス」も僕にとっては大事な曲ではありますが・・・。
 
今回の東京ドームでは、間奏において、タローがイントロ部のフレーズを繰り返すのですが、そこにトッポのギターソロが被っておりました。余り細かいフレーズは弾いておらず、僕の耳にはロングトーンの長音系のフレーズだったように記憶しております。勿論NHKのオンエアで確認したいと思いますが。
 
これで全ての楽曲の演奏が終了しました。
 
一度メンバーがステージから引き上げてから、再度戻ってきましたが、そこにはシローの姿もありました。
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ここがこの日一番の感動のシーンでした。タイガースの6人がステージに並びます。
 
観客の拍手が鳴り止みません。
 
本当に夢のようなひとときでした。
 
僕はこのコンサートが終わってから、色々なことを考えさせられました。それはタイガースのメンバーのこと、数日後の大晦日にちらりと見た紅白歌合戦で見られた今の音楽界の状況、そして今後自分がどう生きていくかということ。
 
まず、今回のタイガースの再結成については想像以上の感動や興奮を与えてくれたと思います。それは、タイガースのメンバーひとりひとりの思いにあると思います。
 
ジュリーは2008年以降、ピーとの再会を願い、ピー行きつけの居酒屋に出入りしたり、サリー、タローとの共作「A Long Good-by」でとにもかくにピーとの再会を果たし、2011-2012LIVEツアーでの共演を果たしました。
トッポとの和解では、自らがしっかりと頭を下げ、今回の2013再結成につなげてくれました。
今回の再結成は何よりもジュリーの男としてのけじめとそして潔さが生んだ僕らへの大きな大きな贈り物でした。
 
あの2011-2012LIVEツアーの時、「ああ、もうトッポは残念ながら二度とここには戻ってくることはないんだな、とりあえず後期タイガースの結集で満足するしかないかな」と僕らに思わせました。
 
でも、あの2012年1月24日の日本武道館でジュリーの「タイガースはかつみも含めて全員揃ってザ・タイガース」という言葉。それが2013年12月に実現したこと、本当に本当にうれしく思います。
 
それが、今回の再結成に当たっての率直な感想です。
 
そして、今の音楽業界やライブの在り方についても述べたいと思います。
 
今回のタイガースの再結成ライブは「異例中の異例」でした。
 
つまり、「大スポンサーなし」、「大広告主なし」、「レコード会社協賛なし」、「プレスによる宣伝なし」
まさに「異例中の異例」でした。
 
この手作り感で、なんと全国8箇所で述べ10万人の動員となりました。
 
僕はロックというものを改めて知らされることになりました。
 
ロックとは「激しいビートを刻んで、立てノリ」の演奏であれば「ロック」
 
ライブとは「みなが総立ちで」、「ある種の宗教のように」、「ノリまくる」
 
というのが当たり前と思いがちでした・。
 
僕自身もアマチュアではあれど、バンド経験者ですから、ロックミュージックというもの対する定義づけなど、ある種のこだわりがありました。
 
しかし、今回のタイガースのライブを見て思ったことは、
 
「激しくなくても、ロックである」
「ギターが歪んでなくても、ロックである」
「総立ちでなくても、ロックである」
「ステージに立っているメンバー、そしてそれを観に来る観客の生き様がロックである」
 
それを学んだように思います。
 
上手く言葉で伝えるのは難しいのですが、「ロックは生き様」であるということ。
 
昔、シローが著書の中で、
「渡米していた時に、アメリカの本場の音楽、ロックバンドやギターやいろいろな情報を東京の兄たちに最新情報として発信していた際、「GSなんかは時代遅れ」、「ロックは生き様なんだ」」ということを発信していたようです。
 
これを思い出して、ハッ、としました。
 
そうです。
 
この日僕が東京ドームで見たシローとタイガースのメンバーの姿はまさにロックという
 
「生き様」を見せてもらったということです。
 
楽曲は当時の(歌謡曲チックな)ヒット曲も含めてはいますが、彼らの65年を超えた円熟味ある演奏・歌は本当にロックという「生き様」を見せてもらった気がしました。
 
更には今のレコードを売るという、ビジネスに対しても一石を投じたと思います。
 
AKB48が大好きな人には申し訳ないのですが、彼女らが秋元康によりプロデュースされた際のCDの売出方について大変な不満があります。
 
それは「握手会参加権」や「総選挙投票権」を得るためにCDを何枚も「大人買い」するという行為。
 
僕は幼少時から学生時代まではいわゆるレコードがまだあった時代でした。レコードというのはシングル、EP、LPに限らず、本当に欲しい音源をお小遣いやバイト料などを貯めて、やっとの思いで手に入れるものでした。
そしてそれに針を落として聴く瞬間のドキドキ、ワクワク。
真に音楽を愛し、そして音楽にリスペクトし、そしてそれらに歓喜した。
 
そういった感動は「握手権」や「総選挙投票権」などといったものを得るために、チョコレートやガムを買うのとおんなじような感覚でCDを買う今の若者のには理解できないと思います。
 
つまりは、秋元康にせよそういった今の業界人は音楽というものを愚弄しているのです、売れればいいんです。奇抜であればいいんです。音楽の本質や感動を伝えることを完全に忘れている人たちです。
 
僕はこういった感動といったものを今回のザ・タイガースの再結成ライブでまざまざと見せつけられ、そして今後僕はどのようにこの時代、音楽に向き合ってゆけばよいのか、という問題提起を突き付けられたように思います。
 
考えようによっては大変大袈裟ではありますが、音楽ってそういうものだと思います。
 
テクノロジー任せで、一寸の狂いもないビートと、今回のタイガースの時々「地震」が起きつつも、人間らしい温かいビート。どちらを選ぶかってことです。
 
僕は余りにきれいな、一寸の狂いもないビートの音楽に完全に慣らされてしまったように思います。そして、この年齢になってからも、ビートルズストーンズツェッペリンなどのロックに魅せられ続けております。そしてこれらのバンドを自分たちが超えることはなかなかできないと思っております。
タイガースもしかりです。今回の再結成で得た感動。これを今後の自分の人生にどう生かしていくか。
 
そして、あと3年に迫ったザ・タイガース結成50周年に向けて、メンバーもそして僕らファンも、元気で長生きできるように祈るばかりです。
 
とりとめのないまとめとなりましたが、長文におつきあいくださりありがとうございました。
 
最後に一言、あまり好きでない方のお言葉の引用ではりますが、
ザ・タイガースは永久に不滅です!」
 
最後までありがとうございました!