GS, I Love You !

ザ ・タイガースを中心にGSを語るブログです。暫くはシロー追悼特集を更新します。ブログ移動で過去のコメントは削除されました。よろしければ過去記事含めてコメントをください!

【ザ・タイガース】ヒューマン・ルネッサンス『光ある世界』

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今週に入って、タイガースのオリジナル・アルバム2枚をヘビ・ロテで聴いております。
 
この2枚のアルバムを聴くと、同じバンドのアルバムではないのでは、と思うほどの違いがあります。それだけ、作品のコンセプトや演奏者、アレンジといった部分で異なりますが、それでも2枚とも紛れもなくタイガースのオリジナルなのです。
 
そういった中からまずオリジナル1枚目の『ヒューマン・ルネッサンス』の一曲目から順番で記事にしてゆきます。
この曲はオープニングを飾るに相応しいスケールの大きな曲です。
 
作詞:なかにし礼、作曲:すぎやまこういちリードボーカル:ジュリー。
『廃墟の鳩』のB面としても収録。
 
このオーケストラの録音はサンケイホールにて行ったそうです。ホールを借り切ってまで収録するということがどんなものなのか想像もつきませんが、恐らくすぎやまこういち氏がホールで拾う音・反響音にこだわったのか、はたまた大人数のオーケストラが入るスペースが当時の音楽スタジオになかったのか?
 
全く謎ではありますが、この壮大なアレンジは完璧ですね。
 
ジュリーのボーカルはまだまだ上手とは言えませんが、この曲に限っては世界観を出している印象です。ジュリーのボーカルを支えるコーラスは右からサリーのバリトンコーラス、左からトッポのハイテナーコーラスという具合に、オペラの世界の様なコーラスが入ります。このコーラスが更に曲の世界観を高めます。
 
このアルバムのコンセプトは”聖書の世界”、”人類の誕生から破滅そして再生”であるとどこかで見たことがあります。タイガースとそのスタッフがこのアルバムに賭ける思いというものも伝わってきます。
 
GSは当時は歌謡曲の亜流であるとか、歌謡曲エレキバンドをつければそれでGSという扱いであり、エレキバンドは低俗、不良といったレッテル貼りに終始していたと聞きます。特に、このアルバムが発売された1968年末は既にGSの人気は下り坂にあり、人気絶頂のタイガースでもトッポの年内脱退もメンバー・スタッフ間で話し合われていたことがタローの日記でも明らかになっております。
 
そんな中で発売された『ヒューマン・ルネッサンス』。日本初のトータル・コンセプト・アルバムとしての呼び声も高く、ビートルズの『サージェント・ペッパーズ・ロンリハーツ・クラブ・バンド』に対する米国側のアンサーがビーチボーイズのシングル曲『グッド・バイブレーション』であったのと同じくらいのインパクトとして、この『ヒューマン・ルネッサンス』が日本側のアンサーだったのかもしれません。
 
勿論、このような評価は当時はなかったかもしれませんが。
 
是非ともGSを知らない若者たちにこのアルバムを聴いてもらいたい。そう思わせる作品の一曲目です。
 
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