【ザ・タイガース】自由と憧れと友情『処女航海』
３曲目。ここでようやく”ブラス・ロック”の登場です。
ジュリー作曲の楽曲がタイガースのアルバムに初めて収録されました。ジュリーはこの
当時からアコースティックギターで作曲するようになったそうです。（『石海ブギウギさん』）
曲は全編「フランジャー」というエフェクト効果となっており、大変聴き苦しいのですが、当時
としては大胆な試みでした。ビートルズが『イエロー・サブマリン』で海の底に潜っているかの
ような音響効果をつけておりましたが、タイガースは負けずに楽曲全てにフランジャーをかけ
てしまっております。箇所によっては聞き取りづらく、せっかくのジュリーの美声もブラスの響
きも台無しになりそうですが、楽曲そのものは大変シンプルなロックナンバーです。
前２曲が「解散」「別れ」を思わせる内容であったのに対して、この曲は大変明るいトーンであ
り、明るくそれでいて割りと単調な４つ打ちに近いビートを刻み。明るさとけだるさをも感じさせ
るキャッチーな曲です。タイガースにしてはブラスロックというのも珍しく。コーラスも余りハーモ
ニックなものでなく、ユニゾンコーラスや初期の『シー・シー・シー』を思わせるような輪唱も
一部に採用しております。
ライブでやるときっと盛り上がった曲だったのでは、と思います。メドレー形式でもいいから、再
結成時は是非ともレパートリーに入れて欲しいナンバーです。
