【ザ・タイガース】自由と憧れと友情『友情』
立て続けに2曲目です。
タイトルは『友情』ですが、歌詞に「それは自由と憧れと友情」とあり、このアルバムの
タイトルチューンと呼んでも良い作品。
タイガースにしては珍しい3連符バラード。ジュリーがリードボーカルであるが、メンバー
の美しいコーラスが印象的であり、特にシローの声が良く出ております。ジュリーは当時
高音部が苦手ということもあって、サビでは主旋律はシローが歌い、ジュリーはほぼ主旋
律のオクターブ下を歌っております。解散コンサート『ファイナル』にも収録されております
アルペジオ)の絡みが美しく響きます。
歌詞も素晴らしい。安井かずみさんのタイガース提供の詞は大変シンプルでありますが、
分かりやすく、しかもメロディーにぴったりはまって美しい。『ラヴ・ラヴ・ラヴ』でも記事に
しましたが、安井さんの詞は短くシンプルですが、それでいて心に響く言葉を紡いでおり
ます。ジュリーのソロ転向後もたくさん詞を提供しておりますが、歌い手にとってもメロデ
ィを大事にしたくなるような歌詞です。
解散が既定路線になっていたとはいえ、メンバーの友情が永遠に続いて欲しい、そんな願い
が込められた楽曲。まさかピーが解散以降約40年近くもメンバーと音信不通となること、そし
て再びオリジナルメンバーでの再結成が現実味を帯びてきたこと。大変感慨深くもあり、また
大変複雑でもあり。
この『友情』の美しい歌詞、美しいメロディ、美しいアレンジメントを聴くたびに、不思議な心境
になります。