GS, I Love You !

ザ ・タイガースを中心にGSを語るブログです。暫くはシロー追悼特集を更新します。ブログ移動で過去のコメントは削除されました。よろしければ過去記事含めてコメントをください!

【ザ・タイガース】自由と憧れと友情『出発のほかに何がある』

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大変長らくお待たせ致しました。
ようやく重い重い腰を上げて、記事を上げることができます。
ここ数週間、アルバム『自由と憧れと友情』をヘビロテで聴いておりました。
初めてこのアルバムを聴いた20年前の印象とは異なる、多くの発見をしました。
つたない文章ではありますが、僕なりの記事を皆様にお届けできればと思って
おります。ご承知の通り、僕はリアルタイムのタイガースマニアではありませんので、
あくまでも自分なりの考えしか表現することができません。何しろ当時のことは全く
知りませんので、貴重なエピソードをコメントして頂けると大変助かります。
 
で、今回の記事はアルバムの一曲目であり、シングルカットされた『誓いの明日』の
カップリングである『出発のほかに何がある』です。
 
アルバムの発売は、1970年12月15日。その数日前の12月7日に日刊スポーツが
タイガース解散の記事をスッパ抜きました。その直後の発売だったわけです。
 
作詞:ジャン得永、作曲:森本太郎リードボーカル:シロー。
作詞を担当されたジャン得永という人は、聞き慣れない名前ですが、タイガースの
メンバー御用達の美容室「タブロー」のマスターです。作家の作品ではないところが、
先行発売された最後のシングルのB面らしいといえば、そうなのですが、詞は大変
シンプルであり、出発への覚悟と力強さが伝わる内容です。
 
アコースティックギターストロークが始まり、ジュリーの朗読が導入されます。
「若者の魂には戦場があり、血が流れている、若者は知らない、それがどうしてなのか・・・」
タイガースの楽曲では大変珍しい始まり方です。
 
シローのボーカルはこれまでの印象では「ダラー」っとした、力の抜けた感じでしたが、
決意表明の力強いボーカルです。シローがここまで力強いボーカルを聴かせるのは
正に想像外です。解散コンサートでもこの曲を演奏しておりますが、同様に力強さを
感じるのは僕だけでしょうか?
 
くしくも、前作『ヒューマン・ルネッサンス』も先行シングルのB面がアルバムの1曲目、
先行シングルのA面がアルバムの最終曲。『自由と憧れと友情』も同様でした。これは
偶然とは思えません。意図的なのかもしれませんが、『廃墟の鳩』と『光ある世界』、
『誓いの明日』と『出発のほかに何がある』、曲調は全くことなるタイプですが、各々の
組み合わせはピッタリと合います。前者は【創造と復興】、後者は【別れと出発(旅立ち)】。
 
この『自由と憧れと友情』のオープニングに相応しい曲だと思います。
 
僕はタイガースで一番好きな曲を敢えて挙げるとすれば、「動」では『美しき愛の掟』、「静」
ではこの『出発のほかに何がある』だと思います。これは40歳を超えた今だから言えるの
かもしれません。20代、30代、あるいは自分がもしも60年代のタイガース全盛期に10代だ
ったら、初期の曲を挙げたかもしれません。
それだけ、この『出発のほかに何がある』は22~3歳であった解散時のタイガースのメンバ
ーが歌う楽曲としては大人びたものだったと僕は思えるのです。こういった曲を作ることが
できたタローをはじめタイガースのメンバーやスタッフの実力というものは、現代のクオリィ
ティやテクノロジーを差し引いたとしても素晴らしいものだったのだと思えるのです。
 
全編でフィーチャーされる、アコースティックギターやピアノの音、ストリングスの響き、
シロー&サリーのハモリ、ジュリーの朗読とコーラス。タイガースの最後を飾るに相応しい
曲です。
 
是非とも来秋に開催されるであろう、復活タイガースでは、6人目のメンバーとして、シローに
は車椅子に座り、照明避けのサングラスをかけてでもこの一曲だけは歌って欲しい、ステージ
には上がって欲しいと思います。僕はこの曲が生で聴けること、このことが僕の心の中のタイ
ガースが完結するんだと思っております。
 
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