【ザ・タイガース】自由と憧れと友情『誰れかがいるはず』
立て続けに8曲目です。
この曲を始めて聴いて時、「これって、ビートルズの『カム・トウギャザー』っぽい」
って思いました。
アレンジをパクッたということは全く思わず、これは『カム・トウギャザー』だと。
ちなみにビートルズのアルバム『アビー・ロード』は1969年9月26日に英国で発売
されました。恐らく、日本ではこの半年近く遅く発売されたとして、1970年の3~4月
頃と過程しても、このアルバムに関わった人々はこれを意識してアレンジメントした
ということになるのでしょう。
僕にとってはパクリかどうかは問題ではなく、日本のバンドでこれほどまでビートル
ズを意識してアレンジしたバンドはタイガースが初めてだったのだろうと想像すること
です。
それも、タイガース流でビートルズのアレンジメントを咀嚼して、オリジナリティを出し
ているところは素晴らしいと思います。
後期のタイガースの楽曲の中で僕が最も好きなジュリーのボーカルはこの『誰れか
がいるはず』と『怒りの鐘を鳴らせ』です。その後のソロシンガーとして活躍するジュ
リーを垣間見ることができる楽曲です。シンプルなのですが、それでいて割りと高い
音域まで歌い上げているのは、当時のジュリーの歌唱力では最高だと思っておりま
す。
この曲の魅力はギターです。リードギターは恐らくタローが弾いているのでしょうが、
大変ブルージーな印象を受けます。タローは現役の今もギターを引き続けておりま
すが、最近は円熟味を帯びており、余りこういう激しい感じではありませんが、さすが
は20代初頭の頃のプレイはエネルギッシュですね。